信徒の皆様へ(「今私たちは何を学ぶべきか」序文その2)

信徒の皆様へ(「今私たちは何を学ぶべきか」序文その2)

 今回の事態に至った原因や理由、経緯を検証

 ひるがって今回の事態を考えてみますと、教団には未だ明主様帰一の信仰が確立していなかったことを痛感せざるを得ません。私たちは、明主様に、そして信徒の皆様に、本当にお詫びしなければならないことは、このことだと思っています。だからこそ、私たちは、今回の事態を直視し、反省の上に立って、再出発し、新たな教団建設に向けた取り組みを進めなければならないと考えています。そのためには、今回の事態に至った原因や理由、経緯を具体的に検証し、真に明主様に帰一する教団づくりを成し遂げるための解決の糸口を見出す必要があります。本資料は、そのために作成されたものであります。

 そもそも今回の浄化には、2つの主要な要因が発端にあると思われます。一つは、メシヤ降誕時における明主様の「メシヤが生まれた」「生まれ変わるのではない」「新しく生まれた」と発せられたお言葉に対し、四代様が「古い信仰」「新しい信仰」という新しい独自の解釈を出され、それが「新しい明主様の新しい御教えは、四代様のみが聞き、伝えることが出来る」との主張に発展してきたことです。

 もう一つは、いづのめ教団は発足当初より一貫して「教主中心の神業体制の確立」を目指してきましたが、いつの間にか「教主中心」という極めてあやふやな言葉だけが独り歩きを始め、「教主様のご意向には無条件で従わなければならない」という誤った解釈が流布・拡大してきたことです。これらの要因が、四代様のお言葉を正当化・権威化させ、独自のメシヤ観や浄霊観等を生み出し、明主様のご神格や御教え、浄霊の否定へと発展し、それらが教団の混乱に拍車をかけてきたと考えられます。

3つのグループに分断、一方的な情報

 こうした状況下にあって、現在、世界救世教の信徒は大きく3つのグループに分断されていると思われます。

 第一のグループは、これまで通り、明主様を信じ、明主様中心の信仰を目指している体制派と呼ばれる人達です。

 第二グループは、四代様率いる反体制派と称する人達。このグループはさらに二つのサブグループに分けられると思います。即ち、

①従来通りの明主様中心の信仰・御教えがあると信じた上で、四代様の教導に従っている人達。つまり、この人達は、従来の明主様の御教えにあるお導きも、献金も、浄霊も、徳積みも、利他行も今も何ら変わることはないと信じているグループ、

②明主様が説かれた教えを捨て去り、ひたすら四代様のお言葉に明主様の御意志が示されると信じ、教主様中心の信仰に邁進している人達のグループです。

 第三のグループは、明主様中心の信仰・御教えは信じているが、「象徴の座」「教主の座」「明主様の血縁」にある教主に対する特別な思い・畏敬の念から、四代様のお言葉を否定できないで、苦悩の中(水面下)にいる人達です。

 これらのグループの中で、第二の①のサブグループと第三のグループの人達は、過去布教現場が教主派の専従者や信徒達によって運営され、教主派(反体制派)の情報のみが信徒に流されていた状況があり、そのため体制派から発信される通達文などは正規のルートでは信徒の手元にほとんど届かないような情報統制下にありました。従って、これらのグループの人達の中には、正確な情報が無い中で止むを得ず教主派に属している人達も少なからずいらっしゃると思われます。

明主様の御教えと四代教主のお言葉の違いを客観的に検証

 世界救世教は、宗教法人法によって文部科学大臣に認承された宗教法人です。

 従って、教団は、公益性のある社会的存在として社会貢献することが求められています。最近、23年前に起こった地下鉄サリン事件や松本サリン事件などで有罪とされたオウム真理教の幹部13人が処刑されました。多くの人達は当時の記憶を呼び起こされ、カルト的組織に対する懸念や脅威を再認識しています。

 それだけに、一般社会の宗教団体を見る目は一段と厳しくなっています。きわめて重い「教主の座」におられる四代様が、宗教法人法や規則・教規に抵触する恐れのある言動により、包括法人から教主推戴を取り消されたという事態に対して、教団関係者はもとより、一般社会の人達も大きな懸念を抱いていることは想像に難くありません。世界救世教の専従者や信徒を含むすべての関係者は、社会から不審の目で見られたり、混乱や誤解を招いたりすることがないように、一日も早く今の教団の混乱を収束させ、教団を正常化する必要があります。

今、信徒には、明主様を一途に求め続けるのか、教主様中心の新しい信仰を選ぶのか、一人ひとりが真剣に判断しなければならない時期にきていると思います。こうした人達が自らの判断でいずれかを選択するためには、体制派、反体制派の両者の情報を公正に提供する必要があります。そのために、信徒が互いに情報を共有し、同じ認識の上に立って、冷静な議論を重ね、迅速に融和を図ることが必要と考えます。仮に、明主様の御教えと四代様のお言葉との間の乖離や齟齬が今日の教団の大きな混乱の核心であるのであれば、その要因となった四代様のお言葉や主張を、明主様の御教えと対比させ、どこの何に対して齟齬(そご)や乖離(かいり)・矛盾があり、どのような異質性があるのか等々を、根拠資料をもとに客観的に検証し、冷静沈着に問題解決にあたる必要があります。

 感情論・情緒論でいくら議論しても不毛な水かけ論に終わってしまいます。本資料では、明主様の御教え(原典、教典、岡田茂吉全集など)と、これまでに集めた四代様およびその意を汲んだ岡田真明氏のお言葉・発言を、根拠資料として対比させ、両者間の齟齬や乖離・矛盾等について客観的な検証を行い、両者の相違を正しく理解し、その上で世界救世教いづのめ教団対策本部事務局としての見解を述べるものです。(その3に続く)